サウナに近い蒸し湯は、疲労回復に最適ですが、日本では「箱蒸し」という独特の方法で、木箱の中に腰掛け、首から上を外に出して身体を蒸すものがあります。座って顔を外に出しているために、のぼせずに長い時間入っていることができます。
この木箱に入るものの他にも、床下から蒸気の吹き出す小屋に横たわって蒸されるオンドル小屋や、温泉熱で温まった地面の上にゴザを敷き、上からも毛布をかぶつて寝ころんで蒸される地熱蒸し、それに石風呂、釜風呂など、特色のある蒸し湯が全国各地に残っています。
蒸し湯は湯に入るような水の圧力が体にかからないので疲労感や血圧の変動も少なく、40~50℃の高温で蒸されるので発汗作用が激しく、新陳代謝を活発にするため、疲労回復、減量や、肩こり、腰痛、神経痛、リューマチなどの痛みの緩和に効力を発揮します。
ただし、体内に熱がこもるために、高血圧症や動脈硬化の人は注意が必要です。蒸し湯の入浴回数は一日1回までとし、疲れを感じないなど慣れたら一日2回にまで増やします。1回の入浴時間もはじめは5分程度にとどめ、慣れてきたら30分まで増やします。