温泉の選び方 温泉の利用法 温泉の入浴法 秘湯の温泉宿 効能別温泉場 泉質別温泉場

温泉の利用法

温泉のもつ不思議な力の秘密
効能がなく冷たくても温泉
自然環境で温泉の効果が倍増
温泉入浴で得られる効果
温泉を飲む飲泉健康法
ご婦人に必要なからだのお手入れ
温泉で素肌美人に生まれ変わる
温泉で減量?温泉ダイエット作戦

温泉のもつ不思議な力の秘密

温泉が体にいいワケは3つあります。第一に、地中深くから湧き出た温泉には地上では考えられないほど多量の自然の化学物質が含まれていること。化学物質が体に吸収され、症状に有効に働くのです。神経を解きほぐし、炭酸ガスは血行を重曹は胃や肝臓、すい臓の働きを活発にし、また硫酸塩は血圧を下げる働きをしてくれます。

第二に、温泉浴には、温熱効果はじめ、水圧や浮力という物理的な作用がことです。温熱効果で血液の循環が良くなると血圧が下かり、そのため心臓にかかる負担が軽くなり、腎臓血管なども拡張して利尿効果を促進します。

ぬるめのお湯にゆっくり浸かると、自律神経が副交感神経支配になるため、不思議に日頃のイライラがおさまり、落ち着いた気分になります。温浴すると、汗や脂肪などを洗い流してくれるので皮膚呼吸が活発になり、温度調節などもスムーズに行われるようになります。水圧により内臓が圧迫され、心臓の働きも活発になります。

次に、水圧により内臓が圧迫され、心臓の働きも活発になります。湯の中ではいつもより、ウエストがも細くなことご存じでした?これは水圧のためです。入浴すればうちに内臓の運動になっているというわけで、ダイエットにも効果的です。

湯につかると体重はいつもの重さの9分の1になります。湯の中では体が浮き上がるような感じがするでしよう?あれが浮力の働き。体がうそのように動かしやすくなります。温泉がリハビリテーションに威力を発揮するのもこれを利用しています。

第三に、温泉をとりまく自然環境があること。日常を離れ、自然の中に身を置くだけでも、ストレス解消には役立ちます。大自然の空気、水、日の光、土の刺激を受けることにより、神経系と内分泌系が活発に働き出して、心と体のバランスを整えてくれます。湖には疲れた神経を癒す効果、森林には心を落ち着かせるフィトンチッド効果があります。

温泉浴の物理的作用と自然の環境が自然治癒力を高め、温泉に含まれる自然の化学物質が体のさまざまな症状に有効に働いて、健康な体にしてくれます。調子を整え、病気を根本から治してくれる温泉は、ストレスからくる慢性病には、妙薬といえます。

効能がなく冷たくても温泉

温泉の定義は「地中から絶え間なく湧き出している温かい水」ということで、地殻内部の超高温、超高圧層の水がマグマに含まれていた化学物質を含んだ水分と一緒に、地表に放出したのが温泉であり、地中深くから初めて現れた水という意味で「バージン・ウォーター」と呼ばれています。

温泉はまさしく生きた泉であり、この上ない自然の贈りものです。火山列島である日本は、世界でも有数の温泉天国です。全国各地にある温泉は2千以上もあり、湧き出している源泉の数は2万を越えるといわれています。

温泉場には温泉があれば良いというものではありません。温泉旅館の建物などの建造物も温泉を楽しむには大切な要素です。

また、その土地の伝統的な入浴法とか料理なども温泉場には必要です。源泉かけ流しの湯船などに始まり、日常に密着した温泉の利用法なども重要な要素です。

わが国の温泉法による、温泉の定義は、地中から湧出する温水、鉱水、及び水蒸気その他のガスで、以下の条件であることとされています。

1.温泉源から採取されるときの温度が摂氏25度以上のもの。
2.以下のうち、いずれか一つの溶存物質(温泉に溶け込んでいる化学物質)を含むこと。

物質名 含有量(1キログラム中)
溶存物質 1,000mg以上
遊離炭酸 250mg以上
リチウムイオン 1mg以上
ストロンチウムイオン 10mg以上
バリウムイオン 5mg以上
フェロまたはフェリイオン 10mg以上
第1マンガンイオン 10mg以上
水素イオン 1mg以上
臭素イオン 5mg以上
ヨウ素イオン 1mg以上
フッ素イオン 2mg以上
ヒドロひ酸 1.3mg以上
メタ亜ひ酸 1mg以上
総硫黄 1mg以上
メタほう酸 5mg以上
メタけい酸 5mg以上
重炭酸ソーダ 340mg以上
ラドン 10mg以上
ラジウム塩 1億分の1mg以上

自然環境で温泉の効果が倍増

紀元前460年頃~375年頃のギリシャの医師で現代医学の祖(父)とされているヒポクラテスが「人間の自然治癒能力を高めるのは水と空気と大地である」と言っていますが、自然の治癒力を期待するには自然の環境に恵まれた温泉場選ぶことが大事です。また、単に山や海といっても、場所によってもその効用に違いがあります。自分のからだや症状などに合わせてより良い自然環境を選んでみましょう。

海辺の温泉

海辺の温泉は、日々の緊張感から解放され、疲れた神経を癒すにはもってこい。海の空気はマイナス空気イオンに満ちており、自律神経を安定させる働きがあるのです。また、昼夜の温度差が少ない温和な気候で空気も湿り気を含んでいるので、呼吸器系の弱い人は咳や疫が軽くなります。新陳代謝も活発になり、食欲もすすみます。とくに高齢者や呼吸器系の弱い人、高血圧の人、疲れている人向きといえます。

山間の温泉

のんびりとくつろぎたい時には深い山あいや湖畔、河畔の温泉を。山の空気には精神を高揚させる働きがあり、気分を爽快にしてくれます。山は高くなるにつれて気温は下がり、気圧は低くなります。その刺激をうけて呼吸は活発になり、新陳代謝が高まるほか、知らず知らずのうちに抵抗力がつきます。ただし、1000m以上の山は刺激が強すぎて、高齢者や高血圧症、心臓病、慢性気管支炎や不眠症の人には向きません。また、山間でも滝の周辺や渓谷、渓流などは神経を安定させる癒し効果があります。水が岩にぶつかって上がるしぶきの周辺の空気には、マイナスイオンが満ちているからです。

森の中の温泉

森林の中に入ると、何ともいえない良い香りに包まれ、心穏やかになった経験はありませんか。あの香りが森林浴でおなじみにの「フィトンチッド効果」なのです。樹々から発散されるテルペン系物質の香りで、細菌やウイルス、カビ類を殺すフィトン(植物)チッド(殺す)作用があり、森の中の空気を清浄しているのです。だから森に入ると心が落ち着くというわけです。森の中は酸素が豊富で、適度な湿度が保たれているほか、静かで木の葉によって紫外線の80%はさえぎられるので、高い山や海と違い、からだにほどよい日光浴ができます。それ故、森の中の温泉は万人向き。どなたでも安心して利用できます。

温泉に入浴することで得られる効果

温泉場に行く目的は、湯につかる楽しみだけではないはずです。その土地の自然や文化にふれたり、地元の人とのふれあったり観光地を訪れてみるなど、さまざまな人との出会いが心とからだに良い刺激を与えてくれます。主目的の温泉に入浴することによって得られる効果は、次のようなものが期待できます。

体が軽くなる(浮力)

肩まで湯に浸かると、浮力の働きで体重は約10分の1程度になります。ゆったりとからだを伸ばして、のんびり湯に浸かっているだけで、足腰が重力からから解放されます。水中で手足をすばやく動かすなどの軽い運動をすると、軽くリハビリにもなります。

天然のマッサージ(静水圧)

お湯の中では静水圧により、マッサージ効果期待できます。血行が良くなることで足の疲れやむくみをのぞいたり、肝臓や脾臓の機能も高まります。足湯では足の指をグーパーグーパーを10回繰り返すとマッサージ効果が期待できます。

体が温まる(温熱)

お湯の温かさによって血行が良くなり、新陳代謝を促進することで老廃物を排出します。筋肉や関節の痛みもやわらぎ、発汗も円滑になります。疲労回復を期待するなら、ぬるめの湯に10-15分ほど浸かるのが効果的です。

温泉を飲む飲泉健康法

温泉保養所が社交の場として賑わった18世紀のヨーロッパでは、貴婦人たちカ進度の飲泉で下痢を起こしてやせるダイエットが大流行したという話があります。

温泉を飲むには、源泉を飲むことにつきますが、飲み過ぎると下痢を起こしますが、適度な飲泉は逆に便秘に効きます。便秘ぎみの人にはぜひお勧めしたい温泉利用法のひとつでもあります。

温泉にはナトリウム、鉄、カルシウムなどの無機質が多量に含まれており、飲泉すれば野菜を食べるのと同じように、ミネラル分を取る効果があるというわけです。

飲泉は自律神経を調整し、消化器官を活発にしますので、便秘には効果てきめん。なかでもガンコな便秘に効くのは食塩泉、純炭酸泉、硫黄泉、ナトリウム硫酸塩泉などで、腸の運動を盛んにし便通をよくします。また血管を拡張し、ホルモンの分泌を盛んにして若々しさを保ってくれます。便秘で悩んでいる女性にはもってこいの温泉療法といえます。

肝臓の湯としての重曹泉をはじめ、飲泉の効用は温泉の成分ごとに幅広く、貧血や更年期には鉄泉の飲泉、利尿には重炭酸土類泉、痛風には放射能泉の飲泉が効きます。

飲泉は炭酸や泉温のために薬を飲むよりも体内吸収が早いので、飲み方には注意が必要です。新鮮な、いま湧き出た場仮の源泉を湧き出し口から汲んで次むのが基本です。温泉の効果は地上に湧出後、時間とともに減少していきますから、新鮮であるほど効果が大といえます。

飲む量は湯呑み茶わんに1~2杯程度を時間をかけてチビリチビリ飲むようにします。飲む時間は、食塩泉、重曹泉は早朝か夕食前の空腹時がよく、食事はその後小一時間休憩してからにした方がいいでしょう。

鉄泉や放射能泉は食後がよいのですが、鉄泉を飲んだ後すぐにお茶、コーヒー、紅茶などを飲むと、タンニンと鉄がくつついて歯を黒く染めてしまいますので要注意です。

便秘によく効く炭酸泉、硫黄泉、ナトリウム硫酸塩泉。ただし飲みすぎると下痢します。また、腎臓、心臓の悪い人、高血圧やむくみのある人は、重曹泉、食塩泉、ナトリウム硫酸塩泉、を大量に飲まないようにしましょう。

ご婦人に必要なからだのお手入れ

からだの調子が悪ければ、いくら美肌作りやダイエットに励んでも、顔色や肌ツヤに表れます。ガンコな便秘をはじめとして、肩こり、腰痛、貧血、生理不順、それに更年期障害からくるイライラ、のぽせ、めまい、頭痛など不快な症状は、気分憂うつ、などなど・・・で、美人をだいなしにしてしまいます。

温泉は、これら女性特有の病気にも効力を発揮しまので、便秘は、食塩泉、硫黄泉、硫酸塩泉、炭酸泉の飲泉と入浴がよく効き、肩こり、腰痛には「打たせ湯」と日本古来の入浴法が効果的です。身長の2倍の高さから滝のように流れ落ちるお湯を、患部に当てて刺激の強いマッサージ効果が得られます。また蒸し湯もコリを和らげてくれます。

あと、なんと言っても貧血には、鉄泉や含鋼鉄泉がお勧めです。温泉を飲むのがいいのですが、湯につかるだけでも鉄分を皮膚から吸収することができます。鉄泉のなかでも緑ばん泉は胃酸の分泌を高め、鉄分を吸収しやすいという効果があります。薬用の鉄剤と違って、温泉は飲みやすく、胃腸にもたれる心配もありません。

更年期障害には体の芯から温まり、血液の循環をよくする単純酸泉や緑ばん泉、慢性の婦人病には塩化物泉、、硫黄泉、放射能泉が効果的です。入浴法としては、婦人病には蒸し湯が効果的、泥湯につかる「鉱泥浴」は生理不順、更年期障害によく効きます。

温泉で素肌美人に生まれ変わる

温泉に美肌効果があるのは、温泉に含まれる自然の化学成分が威力を発揮するからです。例えば、硫黄泉は古くなった皮膚の角質を軟らかくして溶かしてしまう働きがあり、ニキビなどにもよく効きます。また、明ばん泉は肌を引き締めてくれますし、重曹泉は皮膚の脂肪を乳化させ、洗い流してくれます。

温泉の効能はそれだけではありません。もうひとつ大きな魅力があります。それは、からだの中から美しさ、「素肌美人」をつくりだす効果があることです。

温泉につかると皮膚が刺激され、皮膚は活発に呼吸をはじめ、温泉に含まれる自然の化学成分を体の中に吸収します。そして脳の中枢である脳下垂体を刺激し、体調を整えてくれます。また体を温めることにより、血液を体のすみずみに行きわたらせて老廃物を運び出します。

そのためホルモンのバランスがよくなり、肌がなめらかになるというわけです。できれば、箱蒸しなどの蒸し風呂や打たせ湯などマッサージ性のある入浴法を利用すれぱ、より効果的です。なかでも「泥パック」でよくで知られる「鉱泥浴」は、美肌効果が高いことで有名です。

ただし、長湯や熱い湯は禁物です。美肌効果の高い硫黄泉も皮膚の弱い人にはキツイので注意してください。また、煩わしい日常から解放され、ゆたかな自然に囲まれた温泉地に行くことによって気分も一新されて、ストレス解消できることも肌には効果があります。4~5日も滞在すれば、気分もリラックスしが美人に生まれ変われるかもしれません。

温泉で減量!?温泉ダイエット作戦

ラクして無理なくやせたい人にぜひお勧めしたいのが、温泉ダイエット作戦。体を動かさず、温泉気分を満喫しながら、しかもやせられるというのですから、やせたいのは山々だけれどダイエットは苦手という方にもってこいです。

どうして温泉につかるだけでやせられるかというと、第一に温泉浴で消費されるカロリーが結構高いことが上げられます。お湯の中ではいつもよりウエストが3cmも細くなっているってことってご存じですか。水圧で体が締め付けられるためなのですが、入浴するだけで、気が付かないうちに内臓がエネルギーを消費しているというわけです。

温浴効果を運動量に換算すれば、毎分70mで歩いたり、洗濯やふき掃除をしたのと同じくらいのカロリーを消費していることになります。お湯に浸かっていると、運動できてしまうと言うわけです。

第ニに、からだに無理なく大量の汗をかき、いち早く体の水分を取ってくれること。汗をかくとなぜ痩せられるのかというと、水分だけで脂肪分も取り去ってくれるからなのです。汗の5%は血液からの水分。汗をかくとのどが渇くのは、からだが水分の補給を求めているわけですので、ここで少しガマン。からだはからだの中の余計な脂肪分を炭酸ガスと水に分解して、水分を補給しようと働きます。

汗をかくと余計な脂肪分も取れるってわけです。汗とともに体の中にたまった老廃物も出してくれますから、体の中のクリーニングもできるというおまけ付きです。汗を出すには蒸し風呂がピッタリですが、高温の湯に出たり休んだりの反復浴もダイエットには効果的です。ただからだが求めるまま、湯上がりに飲物をガブ飲みしては元のもくあみ。ただし、中高年の我慢は要注意です。

食事も油つこいものはカロリー調整して、食べ過ぎないようにすることが大切です。この温泉ダイエット作戦、1回の温泉浴で減量できるのは600~700gです。作戦としては4泊5日くらいの湯治で、自然散策など軽い運動も取り入れながらやるとダイエットは十分期待できます。便秘ぎみの人には、温泉の源泉を飲む「飲泉」がおすすめです。

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[更新日]2018/07/13